内職の歴史


このコーナーでは内職の歴史を紐解けそうな過去の小説の一文をご紹介させていただいております。
過去を振り返ると色んな事が学べますね。

その2

 「その其蝶とお葉とおかしいようなことはあるめえな」と、半七は笑いながら訊(き)いた。
「さあ」と、惣八もすこし考えていた。
「そんなことは知りません。其蝶は師匠の家へ足を近く出入りはしていますが、まさかにそんなことはないでしょう。
風流一方に凝りかたまっている偏人ですからね」
「あの宗匠は都合がいいかえ」
「相当に名前も売れていて、点をたのみに来るものも随分あるようですから、困るようなことはありますまい。
いい弟子や、いい出入り先もありますから、内職のほうでも又相当の収入(みいり)があるようです」
「内職とはなんだえ。掛物や短冊の売り込みかえ」
「まあ、そうです」と、惣八はうなずいた。


【比較ベスト編集部のコメント】 昔もおいしい内職もあったんですね〜

引用原文(冬の金魚 岡本綺堂)